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スズメおじさん

私が昼休みによく行く公園に「スズメおじさん」がいます。そのおじさんはいつも同じグレーのスーツを着て、肩より少ししたくらいの白髪混じりの髪を揺らし、パンくずがたくさん入ったナイロン袋を両手に持って、そっと公園に立っています。すずめおじさんは公園の特定の場所に少しずつパンくずを撒きます。そこに少し警戒したスズメが10~20羽ほど集まってきて食べていきます。おじさんはそれをただただ幸せそうに眺めているのです。なかなかパンくずに寄って来ないスズメを、おいでおいでと手招きするおじさん。もしそこにハトが来るものなら鬼の形相で追い払います。鳥が好きなのではなく、スズメが好きなのだな、とスズメへの執着のようなものを感じました。
私はお昼ご飯を食べながら、食べ終わったあとも、この光景を眺めているのです。とくにおじさんと話をするのでもなく、スズメと仲良くなりたいのでもなく、ただ眺めているだけで心が穏やかになるのです。私は特段スズメが好きというわけではなくむしろ鳥類が苦手なのですが、この瞬間だけはスズメのことが好きになります。自由に空を飛べてどこにでもいけて羨ましい、煩わしい人間関係もない、スズメになりたいと思うのです。貴重なお昼休みに癒しをくれるおじさんとスズメに感謝しています。